ダンサーズ・イン・ザ・ダーク

クウル  「来たよ」
川     「きゃっ来たのね!」
タコヤキ 「来たぜ」
川     「あそば!あそぼ!」
おれ    「どうも、こんばんは、今日はぼくもお邪魔します」
川     「・・・・」

まだ慣れてない五島の川。ぎこちなさが感じられるのか、僕にだけ川の反応がわるい。

川     「ドバッ」
タコヤキ 「うひょー、でかかったね、いまの!」
川     「でものらせなーい!みたいなー!」
タコヤキ 「んもう、こいつう、じらすなよ~」
川     「バコッ」
クウル  「うほっ!そこででちゃう!?」
川     「クリビツ?クリビツしちゃった?みたいなー!」
おれ    「なんかおもしろそうだね!」
川     「・・・・」

疎外感を感じる。たしかに僕はたまにしか五島に帰ってこない身だ。
クウルさん、タコちゃんみたいに、川の気持ちをわかっていない。
それでも、ここはふるさと五島の川。愛している。そのことを伝えたい。なのにうまく伝わらない。
もどかしい時間が過ぎていく。

おれ   「ぼくじゃダメなんだろうね」
川     「・・・・」
おれ   「ふるさとを捨てた男だもんね」
川     「・・・・」
おれ   「そろそろ帰らなきゃ」
川     「・・・・待って」
おれ    「えっ?」
川     「・・・踊ろ」

とつぜん、闇の向こうに炸裂音。右に左にラインが走る。  

おれ   「どんな踊りがいいんだい?」
川    「ワルツを!」

ドラグがきつすぎるだろうか。不安になり、急いでゆるめにかかる。

川     「ゆるめないで!キツく!キツくステップさせて!キツくターンさせて!」
クウル  「ひゅーひゅー」
タコヤキ 「お熱いねえ、見てらんないよー」
川     「この時間が永遠に続けばいいのに!」
おれ    「ぼくも同じ気持ちさ!」

踊りつかれた彼女は僕の腕の中で少し眠り、そして帰っていった。
帰りがけに彼女が何かつぶやいたようだったけど、はっきり聞こえなかった。
聞こえなくてよかった、と僕は思った。

 

  

 

ダンサーズ・イン・ザ・ダーク」への8件のフィードバック

  1. いか

    五島に行っても治らなかったか・・

    たぶん、そこは3拍子じゃないと思うな。

    返信
    1. たーちん 投稿作成者

      イカさま
      ワルツって3拍子なんだ・・・
      知らなかった・・・
      五島のシーバスは引きがつよかったよ

      返信
  2. タコヤキ

    なんつーか俺達まで痛々しくなっちゃったね(笑)
    あのベイト25センチくらいのサヨリやったよ。
    その後、音沙汰なし。

    返信
    1. たーちん 投稿作成者

      タコちゃん
      この枠組みに登場するということは、つまりそういうことよ・・・笑
      サヨリか!「コモモスリム250」とかあればくうのかなあ。

      返信
    1. aracab

      もうそんな時期か・・・・
      チケットをとらんばね・・・

      返信

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