五島から横浜に帰ってきた。
しばらく留守にした横浜の海はちょっとスネているだろう。
でも結局は気を取り直して遊んでくれる、そう信じていた。
俺 「帰ってきたよ。おーい、どこにいるの?」
海 「・・・・」
俺 「隠れててもムダだぞー。どこだーい。」
海 「・・・・」
俺 「ど・・・どこいっちゃったんだよう?」
海 「・・・・」
俺 「ほんとにいなくなっちゃったの?おれがほったらかしにしてたから?」
海 「・・・ちがうわ」
俺 「いた!でも姿が見えない。どこ?」
海 「あなたにはもう見つけられないわ。」
俺 「どういうこと?」
海 「あらゆるものは変わりつづけるのよ。」
俺 「変わる・・・?」
海 「わたしはもういない。・・・いえ、正確には、いるけど、いない。」
俺 「やめてくれよ、そんなミステリアスな話。」
海 「U2も歌ってたでしょ。Sea moves in mysterious waysって」
俺 「あれはShe moves・・・だよ。」
海 「わかってる。うまいこと言ってみたかっただけ。」
俺 「もういっしょに遊んでくれないの?」
海 「さようなら」
俺 「そんな!またすぐ会えるでしょ?」
海 「・・・私にもわからないの。でも、季節はめぐるわ。また春はくる。」
俺 「あっ、この子は?」
海 「忘れ形見よ・・・私とあなたの」
俺 「そんな・・・」
海 「いままでありがとう。楽しかった。」
俺 「行かないで!」
海 「・・・・」
俺 「行かないでー!」























