月別アーカイブ: 2013年5月

干潮日記

kids

「波ばたてんで!」
「わかった!」
「やけん波ばたてんでって!」
「わかった!」

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沖に出るのがめんどくさかったのか、
砂の上でエビがじーっとしとった。
「どうせあとで満ってくっしっ!」て思ったんやろね。

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潮が動くたび、ナイスな五島に会える!

 

大潮日記

sagehama

 

潮の引いた海岸がきれかった。
息子がへんなタイミングでありがとうと言った。
タコちゃんとこに赤ちゃんが生まれた。
イワテルくんが初ヒラスズキを釣った。
娘がアーチェリーで的のど真ん中に当てた。

なんとかは、なんとかの先にありて、なんとかです。

っていう、いい言葉を兄ちゃんに教えてもらったんだけど、なんやったかな。

 

春の合唱

001

やっぱり五島はゴールデンウィークだな、と思いを新たにしたわけです。
3月、4月は、気温の変化も大きく、急に冷え込むことも多いから、まだまだ春が遠慮がちに思える。
「春、はじめてみたんですけど・・・」と「・・・」がついている気がするのだ。
それが、4月の中頃から気温も安定してきて、ゴールデンウィークのころには、
草木も、鳥も、潮の流れも、自信たっぷりに「私、春ですから!」と歌っている。
春の大合唱です。

003

そんなときは、磯を歩くにかぎる。
五島の北東の磯は、山が急にずとんと海へ落ちていて、磯を歩けば、
山の合唱も、海の合唱も、聞くことができる。

いろんな景色や魚に出会うために、朝から晩まで、とことん磯を歩いてみることにした。
最初のポイントでは、オオモンハタかエソに出会えるはず。
そう思ってワームを投げていたら・・・なんか、のそ~っとした重み。

藻か?と思っていたら、急にビクビクしだす。
最初姿が見えたときはマトウダイと思い、テンションが上がったんだけど、
正体がちゃんとわかった瞬間、さらにテンションが上がりすぎて、ドタバタしてしまった。

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約50センチのラメヒー!うほほほー!うまそー(実際にうまかった!)。

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いつもは通りすぎるだけの海岸。実は急深のナイスポイントでは?
と、エギを放り込んでみる・・・

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おったおった!

この間もずっと、山からはホーホケキョだの、ピロピロピロだの、クユックーだの聞こえてて、
ジョギングしてる人も「つれますかー!はあ!はあ!」とか言ってて、
なんかみんな明るい。

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海底の違いと、深度の差が、水色のグラデーションをつくる。
写真にはうつらない、風、匂い、音、思い出。ぜんぶひっくるめて春です。

あー、みんな、五島に来ればいいのに。

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子どもの頃、父や兄と通いつめた磯へ。

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子どものころ、家族の前で転げ落ちた磯。
あのときは母もここに来てた。よーこんな急斜面にピクニックにくるわ!と今になって思う。

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なんか投げると、なんか食ってくる。アラカブと思った魚は、ソイやった。
五島では少ないんやけどね。出会えた。

日も暮れて来て、よーし、最後はいっぱつ、ヒラスズキか青物に出会いたい、とちょっとキツめの磯へ。

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はあー。景色ですね!景色!
春の霞を斜光が照らして、ぼわ~っとなっとる。
こういうところも、五島の観光コースに入れるべきだ。急な山道を歩くことになるけど・・・。でもこれが五島やん?

目の前は流れの速い深場で、海岸の入り江は急に浅く、そこに大量のハダラらしき魚がたまってる。
期待できるぞ、と思ったけど・・・  てん、てん、てん、です。 まあ、そんなものです。

でも、夜になると、入り江はタイやらヒラスやらの宴会場になるんじゃないのかなあ。
夜ひとりでこの磯に来る勇気はないけれど。

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日が落ち、最後にスズキに会いたいなあと、夜の川べりを歩く。
潮の引いた岸でヘッドライトを消すと暗闇の中に音だけ残る。
カニたちのざわざわ、水の流れ、イナッコの跳ねる音、ルアーの着水音、対岸を走るジョガーの足音。
スズキの捕食音は聞こえなかった。
まだなのかな。

 

 

2キロのイカ物語

GW、一足先に五島に帰っていた兄ちゃんから
「でかいの釣れたぞー、2キロくらいかな、ウシシ」とのメールが届いた。
おおー、たしかに。タモよりでかい。

翌日、僕も五島に帰り、兄ちゃんに合流。
2キロのイカを食べさせてもらおうと思ったら、
「それが人にあげちゃったのよー」という。

聞けば、その2キロのアオリイカを釣った後、ポイントを移動したら
いかにも五島って感じのおばちゃんが、釣りざおを4本も並べてポイントを陣取っていた。
こっちはもうでかいの釣ったし、様子見の気分だったのだけど、

そのおばちゃん、「釣りに来たんよね?いま場所あけるから、ここで釣って」と
親切に話しかけてきたのだと言う。おばちゃんは、GWで、もうすぐ島にやってくる孫のために
おいしいイカを食べさせてあげようと、釣りに来たらしい。でもまだ釣れていない。

兄ちゃんは、そういう話に敏感だ。
家に持って帰って正確なキロ数だけは計りたい(だって自己新記録間違いナシだったから)、
と思っていたものの、「これ持ってってお孫さんに食べさせて」と
さっき釣ったばかりのイカを差し出した。

受け取れない、というおばちゃんに、どうせ食べんから、という兄ちゃん。
なんとかおばちゃんは受け取ってくれたものの、
「やっぱり・・・」と今後は小さくたたんだ1000円札を無理やり握らせてきた。
ただでは受け取れない。せめて1000円受け取ってくれ、と。

「いやいや、そんなのいらん!」
「いやいや、うけとって!」

すったもんだしているうちに、ふと見ると
ずらっと並んだおばちゃんの竿のひとつがギュンギュン絞り込まれている。
「おばちゃん、イカのきとるよ!」叫ぶ兄。
「あら、ほんと!」焦るおばちゃん。
すでに糸は100メートルほど出てたそうです。
糸をたぐりよせるおばちゃん。足一本だけ針掛かりしてたそうです。もちろんタモ入れは兄ちゃん。
無事ネットインしたイカはちょうど2キロくらいの立派なサイズだったらしい。
おばちゃん喜んだ!と同時に、兄ちゃんからもらったイカはもう返す、と言い出した。
でも、もうよかけん、2杯ともお孫さんに食べさせてよ!とその場はおさめて帰ってきたのだ、と。

へー。いい話じゃん!
そういう話が大好物のぼくは、もうすっかり盛り上がってしまったわけです。

そんで、今日。
兄ちゃんも僕も午後には五島を去らなきゃいけない。
朝一だけ、ちょっとイカやってみようかと、漁港をふらついてみた。
1か所目、先行者ありであきらめて、
2か所目、これまた先行者がいた。けど、それは例のおばちゃんだった。

今日はどうですかー?と話しかけた兄ちゃんに、おばちゃんの顔がかがやいた!
「あらー!」と。
「こないだはありがとうねー、もしかしたらまた会えるかもしれないと思って・・・」
と自分のクルマに行くと、後部座席からビニール袋を持って出てきた。
ん?なんだ?
・・・コメだ!

お礼です、と。いらんと言い張る兄ちゃんに、今回はおばちゃんが押しつけた。
イカがコメに化けた!

「ちなみに」と先日のイカのことも教えてくれた。
兄ちゃんにもらったイカは2.1キロで、おばちゃんが釣ったイカは1.9キロやったらしい。
兄ちゃんの自己新記録のアオリイカは、「2.1キロ」やった。

・・・というわけで、兄ちゃん過去最大のイカの、ブツ持ち写真!
持ってるの、米やけどね。