堤防にあがったらいい秋の空でしたよ。
いつかキクヤさんにも、
釣り人にしか味わえないあの気持ちを味わってほしいとずっと思っていた。
そしてついに本日2012年10月20日。横浜沖堤、旧白灯にて。
キクヤさん、初ボーズ。やりましたね、とうとう。
やっとキクヤさんのことを仲間と思えるようになりました。
僕には2発きて1つゲット。全く引かない痩せた魚。
片目が見ないようだった。エサをとるのに苦労しているのだろう。
狩りやすい獲物に出会ったと思ったらルアーだった。
せつなかったろう。
ここんとこ海がご機嫌斜め。
そこでKAZU★HEROさん(以下K)に来てもらった。
僕に飽き飽きしているらしい横浜の海に、
新鮮なイケメンを投入しご機嫌を回復してもらう作戦だ。
K:「ゴキゲンナナメなんだって?いったいどうしたんだいUMI子ちゃん?」
海:「あら、いい男・・・」
効果はすぐにあらわれた。
KAZU★HEROさんに明るいうちからメバルがHIT!
さらにぼくにも良いサイズのシーバスがHIT!
が、最近あまりに釣れない日々だったので、すっかり油断していて
ろくにアワセも入れられず、しかもユルめのドラグだったので、ずるずる糸が出ていく。
そしてあの「ふわっ・・・」の感触。やってもーた。
でも、なんか反応いいぞ、KAZU★HERO効果で海もルンルンだ!
と油断したのがいけなかった・・・
なんか、急に、ぜんぜんあたらなくなる。
海:「調子にのらないで」
俺:「え・・・?」
海:「わたし、そんなカンタンじゃないのよ、わかる?」
俺:「・・・はい」
海:「そっちの色男もわかってる?」
K:「は・・・はい」
海:「私いい男に釣られたりしないのよ・・・そして、釣らせもしない」
K:「今うまいこと言ったって思ったでしょ?」
海:「黙らっしゃい!」
俺:「KAZU★HEROさん、ひとまず謝って!」
K:「ごめんなさい!」
海:「まあいいわ。これが私からのメッセージ」
俺:「こ、これは・・・」
海:「そうメジナよ。わかる?季節は変わったの。
変わらないのはあなただけ。バカなあなただけ!」
五島から横浜に帰ってきた。
しばらく留守にした横浜の海はちょっとスネているだろう。
でも結局は気を取り直して遊んでくれる、そう信じていた。
俺 「帰ってきたよ。おーい、どこにいるの?」
海 「・・・・」
俺 「隠れててもムダだぞー。どこだーい。」
海 「・・・・」
俺 「ど・・・どこいっちゃったんだよう?」
海 「・・・・」
俺 「ほんとにいなくなっちゃったの?おれがほったらかしにしてたから?」
海 「・・・ちがうわ」
俺 「いた!でも姿が見えない。どこ?」
海 「あなたにはもう見つけられないわ。」
俺 「どういうこと?」
海 「あらゆるものは変わりつづけるのよ。」
俺 「変わる・・・?」
海 「わたしはもういない。・・・いえ、正確には、いるけど、いない。」
俺 「やめてくれよ、そんなミステリアスな話。」
海 「U2も歌ってたでしょ。Sea moves in mysterious waysって」
俺 「あれはShe moves・・・だよ。」
海 「わかってる。うまいこと言ってみたかっただけ。」
俺 「もういっしょに遊んでくれないの?」
海 「さようなら」
俺 「そんな!またすぐ会えるでしょ?」
海 「・・・私にもわからないの。でも、季節はめぐるわ。また春はくる。」
俺 「あっ、この子は?」
海 「忘れ形見よ・・・私とあなたの」
俺 「そんな・・・」
海 「いままでありがとう。楽しかった。」
俺 「行かないで!」
海 「・・・・」
俺 「行かないでー!」
仕事で知り合ったキクヤさん。音楽の作家さん。
三田のスタジオで打ち合わせしてたとき、
キクヤさんのPCに魚のシールが貼ってるのを僕は見逃さなかった!
「・・・好きなんすか?」
「・・・好きなんですよ~」
ってやりとりがあり、沖堤シーバスにお誘いした。
雨予報だったから「やめます?」ってメールしたら、
一言「攻めたい」と返事。
攻めたいって・・・正直、今年もらったメールの中でいちばん男らしいメールだったな。
雨の沖堤は貸切り!
音楽の作家さんですからね、アドバイスには細心の注意を払った。
「ルアーの動かし方はビブラートな気分で、とはいえ、スタッカートを忘れずに、
そして魚に気づかれないよう、自分の存在感はピアニシモでお願いします」と伝えた。
というのはウソで、勝手にばんばん釣ってた。
最後、何匹釣りました?って聞いたら、数えきれませんって。
20は釣ったかなあ、なんて言ってる・・・
うはっ。
にしても、釣りは音楽っぽいのかもしんないな、と帰りのクルマの中で思う。
保坂和志が、小説は音楽だっていうときの音楽と同じ音楽。
ビートとかリズムって言った方がいいのか。
会社の先輩、イチハラさんを誘って、いま絶好調の沖堤へ。
ぜったい少なくとも一匹は釣れるはずだった。
熱い「釣れましたね握手」をするはずだった。
うおおおー!って顔したブツ持ち写真をとるはずだった。
・・・はず、だっ、た!
でも!釣れなかったプロセスがあったほうが、いつか釣れた時の喜びってすごい。
そして、そのときは握手どころじゃなく、抱き合って、そしてふたりで海に飛び込むのだと思う。
イチハラさん、釣れたらぜったいやりましょう。
カメラのセルフタイマーをセットして、抱き合いながらのブツもち飛び込み。
イチハラさんがやんなくても、おれひとりでやる!
あ、そうそう、帰りには今日もまた「MR.第2ボタン」ことハットリさんと話せた。
いっしょにいたヨシダさんとも話せて、数分だったけどすごくおもしろかった。
みんなで記念写真撮ればおもしろかったのに!気がきかないぜ俺。
木更津のジャックで、アニキ小林氏と日がな一日ボートシーバス。
川~河口~橋脚まわり~広大なシャローエリアと景色の違うところをせめていく。
てことは、シーバスは川にも河口にも橋脚などのストラクチャーまわりにも、
とくに変化のなさそうなシャローエリアにもいるということで、
そう聞くと、「どこにでもいる魚」という気がしてしまう。
でも実際にはどこにでもいるわけではない。なにかの理由でそこにいる。
その「理由」や、季節とか天候とかベイトによって居場所が変わったりするその「理由の変化」を
たいていの釣り人は「こうこうこうだから、いまは、こう(のはず)だ」と
語るけれど、それは「見た」ことのあるものじゃない。経験則だ。
釣った経験、釣れたと聞いた経験、でシーバスの水中の生態が頭の中にできていく。
疑り深い僕の頭半分はいつも「ほんとかなあ」と思って話を聞いているが、
やってると、たしかに季節のパターンっていうのはある。
そういうのが、なんとも不思議。
自然すげー!と思うと同時に、人間の経験則すげー!とも思う。
ああ、だらだら書いてしまった。
フラットデッキのボートの釣りは自分が水面を走っているような気分になっておもしろい。
見ないはずの景色を見ている。
そんな景色の中で、元気いっぱいの魚たちがぽつりぽつりと釣れつづけると、気分サイコー!
・・・のはずだが、今日はお腹がいたくてタイヘンだった。
橋脚まわりについたカキがでっかくてうまそうだったから、
「これ食えるんすかね?」と聞いたら、船長ジャックさんが
「ハラ痛いんだからやめとけば?」と。そりゃあそうだ。
ああ、ダラダラ書いてしまった。
こちらはその前日に地元横浜で。70アップが釣れた。
これも「年に一度この時期ここに魚が集まる」+「とくにあそこの沈み根に大きいのがつく」
という人から教わった経験則にのっとったものだ。
だからといって、経験則が「まったくあてになんないじゃーん」っていう日もあり、
それもまた釣りのおもしろいところかなあと。
ずっと話しかけられずにいた片思いの先輩に、
卒業式の日、意を決して「第2ボタンください」と
話しかけた女子高生の気持ちを想像しながら、以下、読んでください。
昨年の秋だったか、ぼくがまるっきりボーズだったときに、
対岸で4匹も釣ってて、この人はなんで釣れるんだろ、いつか話しかけてみたい、
とこのブログで紹介したHさんこと、ハットリさん。
いつもお世話になってる渡船屋の釣果情報にしょっちゅう名前が出てるし、
みんな釣れてない時もなーんか釣ってるし、
あんまり釣りに興味がなさそうな渡船屋のご主人も
「あの人はうまいよ~、いつも釣ってくるもん」と言ってて、
ずっと前から、ぼくん中では横浜沖堤のヒーローになってた。
そのハットリさんに、意を決して、とうとう話しかけてみた!
ずうずうしく2ショット写真までとらせてもらった!
あああ、第2ボタンゲット気分!
釣りの方は、爆風にやられてまったくバチルアーを泳がせられず。
最後になって、ヒラスズキ用に買ってたHound 125F Fangを
思っきし投げてゆらゆらさせてたら釣れたー。
なんとか3ゲット。あたりはけっこうあったんだけど、
魚のサイズの小ささに全く対応してない2番フックだからなあ。
でも、バチの時期にひとつ新しい引き出しが増えたな。
その名も「ためしに投げてみるもんだ釣法」!