月別アーカイブ: 2013年2月

見切られの科学。

心身が疲れきっていて、こういうときは磯を歩いて、
一度「まともな疲れ」にするのがよいはずだと急きょ五島へ。
さらに島に渡る。一発イイのをかけたけど、すぐにバラした。ぜんぜん問題ない。
俺は「釣り人が俺」という大きなハンデを背負っていつも釣りをしているのだ。想定内だ。

そのあとサラシがなくなり、全くあたりが出ないので、
いつかビデオで見た「侍ツルサキの超絶ヒラスズキすぺしゃる」(たぶんぜったいタイトル間違ってると思う)
の中の、穴釣りテクニックを真似してみる。
バイブレーションを沖から引いてきて、根と根の間のスポットでヒラヒラと落とす、みたいな。

なんでもやってみるもんだなあ。まったくサラシのないどクリアな水の中を
一匹の美しいヒラスズキが追いかけてきて、
根と根の間で落ちゆくバイブレーションにいままさに食らいつこうとしている!
が、次の瞬間、コツンとルアーをつつくと、
身体をクの字に曲げてシュバッと身を翻し、沖へ去っていった。
ウハーっ!おもしろい!

ルアーにがぶりといかなかったのは、いわゆる「見切った」ってやつでしょう。
帰りの船でずっと考えてたのは、魚がルアーを「見切る」ってどういうことやろう、と。
「これは食べちゃいけないやつだ」っていうのがDNAに組み込まれているとしたら、
それは毒魚とかでしょう、きっと。
「魚に似た怪しい動きをするやつを食べてはいけない」というルールを、
魚はどう学んで、それがどう次の世代に伝達されるのか、
っていうのは不思議なもんだなあと思う訳です。
だれかもうそういう研究してるのかな。きっとしてるんだろうなあ。

帰りの船でとなりあわせたエギンガーさん。
ハンサムやし、人当たりもめっちゃいいから、思わず写真を撮らせてもらった。
高校生かと思ったけど、クルマ運転してたし、たぶん大人やな。
ほんとハンサム&ナイスガイやったなあ。そりゃあイカも寄ってくると思うよ。

桜島で名人に出会う

仕事で桜島にやってきた。
仕事場のすぐそばに、海釣り公園があったため、たまらず下見に。
強風の中、フカセ釣りをするエキスパートっぽい格好の男が。
サングラス、グローブ、コマセをまく姿、様になってる。。。
と思って近づいたら、小学生だった!

海中にたらしたビクの中をよく見てみると、んん?銀色に輝く魚体が二つ。

「あれ、スズキ・・・?」
「はい」
「でかいね」
「でかいです。もう一匹はヒラスズキです」

・・・おいおいやってくれるじゃないか、桜島の小学生。

「フカセで、オキアミで釣ってんの?」

専門的な問いかけに、釣りキチ小学生の目が輝いた。

「いえ・・・・キンギョです」

専門的な答えに、オレの目が輝いた。

「キンギョ・・・・って何?」

小学生はあきれた顔でリールを巻いた。針にはネンブツダイがついていた。
それをキンギョと呼ぶらしい。キンギョの泳がせ釣り。
でもそこ、海岸からほんの10メートル突き出た場所の
水深2メートルくらいのとこなんですよ。サラシもなんもない。
桟橋の下にぺろーんとネンブツダイを泳がせている。
こんなんで、真っ昼間からヒラが釣れるのか・・・恐るべし、桜島の小学生。

「きわめつけはですね・・・」

名人(と呼ばせてほしい)は竿を置きながらそう言うと、
桟橋の中ほどへオレを連れて行く。でかいクーラーがあった。ぱかっと開ける。
ブリがどでーんと入ってた。オイオイ・・・

「よく糸切れませんでしたね・・・」(名人に対してだんだん敬語になってた)
「8号のメインラインに、8号のハリスつけてますから」

・・・すげえ。 

 

 

 

ヒラマサ物語(1)

クウルさん、タコちゃんの誘いを受け、ショアヒラマサへ。
ポイントまでの崖下りは、足はガクガク、肛門の穴はプルプルでした。
怖いとやもん。
でもですね、すごい景色です。
よく来る人は当り前になっとるかもやけど、絶景です。
世界遺産になってしまえ!って崖から叫びましたもん。いいぞ五島!

ピクニカルヒッシングのせんくしゃたち!
じつはテクニカルでピクニカルらしい。
ヒラマサもどっかにピクニック中らしく、姿をみせてくれんかった。

タコちゃんのアラカブは、こんなでかいジグに食ってきた。
自分よりでかいジグに食らいつくような生き様・・・男なら影響受けちゃうね。

って書いてたらなんか急に燃えてきた。
今年中にぜったいヒラマサつる!

カタログのくせに!

このあいだ釣り場でいやなことをしちゃいました
磯に居合わせた知らない人に先まわりして、我先にポイントに入ろうとした。
思い出すといや~な気持ちになる。何のために釣りしてんだろうオレ。
釣れりゃいいってもんじゃないのに。ごめんなさい。

話は変わって、ルアーメーカーであるimaの今年のカタログ。
15周年記念版らしい。これが、すばらしいんですよ。

「釣りのある人生」をテーマに、
imaのテスター陣がそれぞれの人生を語っているんですが、
そのうちのいくつかは、ちょっと涙が出そうになるくらいのものです。

特集記事は、小林厚治さんの釣りの人生についてで、
文章は二神慎之介さんなんですが、これがすばらしい。
情熱にあふれてて、でも抑制のきいた文章で
(つまり、厚治さんの人柄のような文章で)すばらしいです。

そしてわれらが五島のスター、荒木潤一さんが、
五島とそこを訪れる人について語った文章もすばらしいです。
五島に生まれ育ち、いま五島をおとずれる立場としては、とくに泣けます。
でもいろいろたくらみをする人だから、
あれもなにかのたくらみの一環なのかな・・・だまされんぞ!

釣りをしていると、なんのために釣りしてるんだろう?
って考えさせられます。そして、なぜ釣りを?を考えることは、
おのずと、なぜ生きる?を考えることに近くなります。
もちろん大物を釣りたいし、たくさん数を釣りたいんだけど、
その先で、自分が暮らす場所の自然とどうかかわるか、とか
人とどうかかわるか、とかについて考えることになる。

やっぱり「自分ばっかり」っていうのはイヤで、

だれかのために、っていうふうになれたらいいなあ、と考えたりする。
(だから我先に、ってなっちゃう自分が情けなくなるわけです)
友だちと自然を大事にできる人になりたいなあ。

このカタログの中に出てくる人たちの、釣りを通して、よき生き方をしようとする
姿勢というか願いというか、それが切実だったのでいろいろ考えさせられました

http://imag.ima-ams.co.jp/2013/02/catalog.html