月別アーカイブ: 2012年3月

季節

はじめてシーバスをルアーで釣ったのは、2010年4月11日の夜。
横浜の沖堤に誘われ、
「はい、いままっすぐ投げて、そのままひいてくれば、あのへんで魚がくいますから」
とロッドを手渡され、ほんとかなあ、と投げてみたら言われたとおりに釣れた。
餌釣りしかやんなかったのにすっかりルアーに転向したのは、
あのときのPEラインから伝わる「ガツン」ていう衝撃のせいだ。たぶん。
シーバスを釣らせてくれたのは上の写真の人。たけるさん。
また年に一度の季節がやってきたので、ふたりで行ってきた。

っていう話は、なんてことない話だが、
よくよく考えるとたぶん、ありがたい話に属するんだろうな、と。

 

 

ほっといてごめんよ。

久々にホームグラウンドの横浜の海に戻ってきた。

俺: 「しばらく留守にしてごめん」
横浜の海(以下YU): 「もう!淋しかったんだから!」
俺: 「ちょっと用事があって」
YU: 「どうせ五島の海でしょ?あっちの方が好きなんでしょ?」
俺: 「そんなこと・・・俺はお前が大好きなんだよ」
YU: 「もう!ばかばかばか!」

(1匹目55センチゲット)

俺: 「そんなに怒らないで。ほら、おまえの好物だよ」
YU: 「これは・・・コモモ!?私のことこんなに思っててくれたなんて・・・大好き!」

(2匹目68センチゲット)

俺: 「いやあ、それにしてもまいったよ。五島の海は気難しくてさあ。
    でも、あの大物の予感、
そしてヒラスズキの魚体の美しさ・・・やめられないんだよなあ」
YU: 「やめてよっ五島の海の話なんか!」

(しばしあたりが遠のく・・・)

俺: 「ごめん、おーい、機嫌直して、ね、ほら、笑顔、見せて、ね」
YU: 「・・・」

(コツッ ・・・ あ、あたった!)

YU: 「もうっ!わたしを離さないで!ぜったい、ぜったい、ぜったい」

(たてつづけに3匹ヒット~!)

・・・みたいなことを妄想しながら釣りしてた。
ちゃんと集中すれば、もっと釣れるんだろうけどなあ。
ついつい、いらんことばっかり考えてしまうからなあ。

春五島その5

釣り最終日。
いまのところ50センチくらいのチビを2匹のみ。
なんとかいいサイズのヒラスズキを1本とりたい。
と思って、厚治さんと二手に分かれ、よさげなところをひとつひとつやっていく。
何度かたたいたポイントだったけど、
よいサラシが広がったのでサラシの中をいちばん長く引けるコースで
ミノーを通してみる。すると、ゴン!
きたー!!!!けっこう強い!!!!
とうとう出たぞ、ナイスサイズ!
 

 ・・・・のチヌ!
まじかー。おもしろかったからいいけどさ!
その後ポイントを移動したところで、もう一発出た!こんどはヒラ!
でもやっぱりチビ。50センチくらい?

ふう。難しいもんだ。と思っていたら、
となりの磯の上から「でかいっ!」と切迫した声が聞こえる。
見上げると厚治さんのウエダ12フィートがありえないくらいひんまがってる。
でもそこはキャッチするには足場が高すぎる。
磯の下に入ってランディング手伝おうと一目散にその磯場へと向かう。
厚治さんがリールのベイルを返しいったん魚を沖に走らせているのが目に入った。
そのしばらく後「ばれたー!」と。
2日前にキャッチした82センチとは比べ物にならないくらいでかかったらしい。
くやしいだろうな、と思って話を聞いてたら、すがすがしい顔してた。

最後にもう一カ所別のポイントに入ってみる。
けれど不発。ここで終了とした。
やりきった感と、疲れと、名ごり惜しさと、反省と、いろいろな気分で。

磯から上がり、帰る準備をしていると犬を釣れたご夫妻がやってきた。
聞くとここらへんの畑の持ち主で、以前飼ってた犬の墓にお参りに来た、と。
お彼岸だしね。
お墓のある場所は、初夏になれば島と島の間の水平線に夕日が落ちるのが見える場所で、
その景色はほんとにすばらしいものだという。
そんな場所に埋葬してもらって、
こうしてお墓参りしてくれる人に飼われて、幸せだったろうなあ。

ご夫妻のいまの飼い犬がすり寄ってくるので頭をなでる。かわいい。
「名前、なんていうんですか?」と聞いたら「チビ太」と奥さま。
最後もチビかー。

春五島その4

地磯のサラシが小さかったので、西の島に渡ってみた。
ポイントまでの道中が、春だぜ、こっちも春だぜ、とアピールしてくる。
猫たちも元気に「ニャー!」って言ってくるし、
子どもたちは「イカ釣れましたかー!」って言ってくる。
なんかいいねえ。しかしなぜ・・・イカ限定?


ポイントに立つ。
サラシが・・・・少なっ!

サラシができるのを待って、
無駄打ちしないように、ていねいに、と思いながらやっていくんだけど
内心、あーこりゃあダメかなあ、と。
でも、ぼくがそんなふうに思ってたとき、
こちらのお方は一カ所集中でネチネチやってた。
そんでドン!82センチ。さすがです。


帰りの漁港ではひょいっと31センチのアラカブ釣ったし、厚治さん「一投必殺の日」だった。
僕はといえば、ポイント移動しても、地磯に戻っても、なーんもなし。
完全なる無!静寂の宇宙!

うーん・・・スカッとするぜ!

春五島その3

一足先に五島についてた僕は磯から空港に直行し、
厚治さんをピックアップするとそのまま再び磯へいちもんくさん。
予報では波が1メートルまで落ちる!その前に!

途中クウルさんと合流。なんの挨拶もかわさないまま磯に急行する。
クウルさんのジムニーのとばしっぷりが語っている。
時合いは一瞬!その前に!

そして五島到着から1時間後。70センチのきれいな魚体を手に写真をとっていた。
・・・って書くと、五島はどれだけ釣れるんだ?ってなるんだけど、
実際は本当にシブかった。シブシブのシブシブ。
この後は厚治さんも僕もノーバイト。つまり、時合は一瞬!
「五島のヒラのこのデリケート野郎ー!」って海に叫んだのでありました。

そして、ブログを読んで以来ファンだった、滋賀のビックリマン高田くんと遭遇。
相棒マサくんとともに島を来襲中だった。
彼らもこの日ノーバイト。五島のヒラのデリケート野郎ー!
そんなこんなで、夜は、変人たちとの晩餐。


・・・磯ではみんなかっこいいんだけどなー。(つづく)

春五島その2

どんな小さなヒラスズキであってもその存在感は圧倒的であり、
とくにヒラスズキを都会で夢見ているものにとってその威力は絶大である。
魚体に触れたものは、ただ純粋な喜びの存在となる。
「光り輝くおっさん」という名の発光体に化する。・・・とかなんとか。

2,3投で釣れちゃったので、さあ、これからの数日間
どんだけ釣れるんだー!と興奮したわけです。

(すべての釣りと同じく、そんなおいしく話がすすむわけもなく!)
で、そのまま空港へお迎えに。

到着ロビーから出てきた厚治さんの第一声は
「もうウェーダー着てんの!?」だったと言います。

あたらしい春

沖の堤防から帰ってくると、
港の岸壁に伸びたワカメを地元の人たちがわいわい言いながらとっていて、
その先に広がる草原の公園からは、ひばりの鳴き声がさかんに聞こえてくる。
ああ。と思っていたら、目の前にカラスのつがいがとまった。

陸だけでなく、海の中にも春のパターンというものはやってきたようで、
明確にではないけれど、たしかに、魚の存在感。
1年たって、なにげなく、いつものように、春のパターン。
そういうのは、とても元気づけられます。
春が来たぞ、春が来たぞ、元気づけに来たぞ、とあちこち、どこもかしこも、春が言ってくれればいい。

さあ、ところで、いよいよ、まじで、うはー、週末は五島へ。
上の方とともに(写真こわい・・・)。
考えてみれば、ひょんな縁から、意外な展開の釣行。
魚に出会うのも、景色に出会うのも、人に出会うのも、ぜんぶおもしろい。
釣りはすばらしい期待でできている。
ネガティブ思考の僕が言うのだから、それはよっぽどのものだ。

国境へ

日本最西端の島へ。
東京から離れれば離れるほど体中に血が巡りだすのがわかる。
筋肉がゆるんでいく。

一年中風が吹く島なのだという。
仕事の現場となった崖の下にはものすごくよいサラシ。

ヒラスズキがいるという話は聞かない。
ここではサラシからどんな魚が飛び出してくるんだろうと妄想する。
やっぱりガーラかな。
よーく目を凝らすとサラシが消えた瞬間に大きな魚体が見える。
ナンヨウブダイだ。

人の少ない島である。
注意深くまわりを見ていれば、リアル・ディスカバリーチャンネルだと気づく。
わくわくするなあ。

こちらはオオゴアゲハのさなぎ。
とある家の庭の葉っぱの裏で、金色に輝いていた。
ふ化に近づくと、もっともっと黄金色になるのよ、と家のご主人。
ふ化するまでじーっと見てたかった。

海岸でワームを投げてみたら、ヤガラがすっとんできた。
こちらも金色。
この島の生物界では金が流行りなのか?

今回の旅で聞いたナイスな言葉。
●親が出稼ぎに出て子どもと離れ離れになる、もうそうならなくていいように、島を豊かにする。(島のヒーローSさん)
●はるばる来てくれて、ありがとう、ありがとう、これでまたわたしもがんばれるよ!(90歳のおばあ)
●いまの人は紙に書くから紙が覚える。わたしは紙に書かないから頭が覚える。(古謡伝承者のおばあ)

そわそわ

このヒレの感じがカッコイイ。
ほれぼれします。
シーバスは2尾かけたけどどちらも目の前ばらし。
メバルは勇猛にアタックしつづけてくれました。
なんかこう海が一波一波春に近づいていくようで
それにともない、そわそわ、そわそわする。