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その一匹。

たけるさんとキクヤさんを誘って、
まだまだ夏の、でもちょっと秋の気配がなくもない、堤防へ。
朝方、ばたばたっと釣れた。
たけるさんは、久しぶりに釣った一匹に満足して、そのあとは座禅を組む格好でひとり目を閉じ、寝てた。
「一匹で満足です。じぶんで言うのもなんだけど、がっついてません」
悟ってる。たけるさん、悟ってる。

キクヤさん。
シーバスをはじめてからの戦績、最初20、前回1、今日は3。
結果を出す男、キクヤ!
そろそろボーズのせつなさを味わってほしい(笑)けど、まったくその気配なし!

もちろん大きい魚が釣りたいんだけど、一匹の価値が大小じゃはかれない時もある。
釣れなくて、くるしんで、1か月ぶりの一匹とか。
新しい釣り方を発見したときの一匹とか。
だから、cmじゃはかれないときの単位として、kdを導入してみる。
感動をあらわす単位、kdだ。
そういう意味でいうと、きょうぼくが釣ったやつは92kd。
いろいろあって、すっげーうれしかったから、いきなりのキューマル越えだ!

うは!

堤防の上では太陽の光が強すぎて
カメラのディスプレーでは全くわかんなかったけど、
すごくいい写真がとれてんじゃん!

「海の状況が悪い」とか「魚の反応が悪い」とかバカバカしいなあ、
自分の状況が良ければ良いし、自分の反応が良ければいいじゃんって
この顔みて思ったなあ

いい顔してるぜ、キクヤさん!
一匹目めちゃデカかったのに僕がノロノロしてたせいでごめん!

夏だね!

パンパカパーン!

KAZU★HEROさんを誘って、木更津ジャックに乗船。
キャプテンのジャックさんのすばらしいガイドもあり・・・

イナダはバッコンバッコンで、
シーバスはゴッツンゴッツンで、
タチウオもズバズバだったし、
巨カサゴがバチコーンで、
さいごはマゴチもドドーンという、
KAZU★HEROさんがほんとにパンパカパーンだった。

ほら!

ほら!

ほら!

ほらー!

翌日のKAZU★HERO家の食卓写真が送られてきた!
おいしさもパンパカパーンだったってさ!

あ行の記憶

「あっ!」
「えっ?」
「うっ!」
「お!お!お!おっ!のる?のれ!・・・あーっ!」
「いい!いい!」

木更津ジャックでイナダ釣り。
トップの釣りをやってると、船中が「あ行」の声で満たされる。

イナダに狙われ、壁際においつめられたイワシの群れが海面で泡立つ。
炭酸ジュースの表面みたいになってる。
「おおー!」

こういうのが東京の目の前の海で繰り広げられてる。それがすごい。
2週間前に来たときは、でっかいアカウミガメもいた。
今日はダツも猛スピードで突進してきた。
「うおー!」

はじめてご一緒させてもらった、たまちゃんさん、ミヤウチさん。
この微笑みから察せられるとおり、きもちのよい、釣り大好き人でした。
きもちのよい釣り人といっしょに釣りする以上に楽しいことがこの世の中にある?

厚治さん「やっぱり釣りは釣れるのがいいねえ」
一同  「ですねえ」
厚治さん「気の合う仲間と釣りをするっていうのはいいねえ」
一同  「ですねえ」

途中、シーバス狙ったり、帰りの川では、チヌも狙う。
ミヤウチさんが大物ゲット!ナイスサイズ!

そしてナイスガイ!さらにナイスデイ!もっというとナイスライフ!

Don’t think, feeeeeeeeel.

こうじさん、よっしーさんと、木更津のジャックに乗船しイナディング。

よっしーさんの「シーバスかよっ」とか「前は酔うからイヤ」とか「ああっ!」に大笑いんぐし、

ストラクチャーでのミノーの使い方も教わりんぐし、ほほーっ!となったりんぐして、

おっきなエイと格闘イングもあったりで、おなかいっぱいんぐで、帰りんぐしたのだった。

ダンサーズ・イン・ザ・ダーク

クウル  「来たよ」
川     「きゃっ来たのね!」
タコヤキ 「来たぜ」
川     「あそば!あそぼ!」
おれ    「どうも、こんばんは、今日はぼくもお邪魔します」
川     「・・・・」

まだ慣れてない五島の川。ぎこちなさが感じられるのか、僕にだけ川の反応がわるい。

川     「ドバッ」
タコヤキ 「うひょー、でかかったね、いまの!」
川     「でものらせなーい!みたいなー!」
タコヤキ 「んもう、こいつう、じらすなよ~」
川     「バコッ」
クウル  「うほっ!そこででちゃう!?」
川     「クリビツ?クリビツしちゃった?みたいなー!」
おれ    「なんかおもしろそうだね!」
川     「・・・・」

疎外感を感じる。たしかに僕はたまにしか五島に帰ってこない身だ。
クウルさん、タコちゃんみたいに、川の気持ちをわかっていない。
それでも、ここはふるさと五島の川。愛している。そのことを伝えたい。なのにうまく伝わらない。
もどかしい時間が過ぎていく。

おれ   「ぼくじゃダメなんだろうね」
川     「・・・・」
おれ   「ふるさとを捨てた男だもんね」
川     「・・・・」
おれ   「そろそろ帰らなきゃ」
川     「・・・・待って」
おれ    「えっ?」
川     「・・・踊ろ」

とつぜん、闇の向こうに炸裂音。右に左にラインが走る。  

おれ   「どんな踊りがいいんだい?」
川    「ワルツを!」

ドラグがきつすぎるだろうか。不安になり、急いでゆるめにかかる。

川     「ゆるめないで!キツく!キツくステップさせて!キツくターンさせて!」
クウル  「ひゅーひゅー」
タコヤキ 「お熱いねえ、見てらんないよー」
川     「この時間が永遠に続けばいいのに!」
おれ    「ぼくも同じ気持ちさ!」

踊りつかれた彼女は僕の腕の中で少し眠り、そして帰っていった。
帰りがけに彼女が何かつぶやいたようだったけど、はっきり聞こえなかった。
聞こえなくてよかった、と僕は思った。

 

  

 

捧ぐ!

夜時間ができたので急きょ出かけた。
シーバスが釣れなくなってしまったので、チヌ釣ってやろうと思ったら、
25センチのメバル(旭天鵬にささげる!)(いらんと思うけど)(おめでとう!本当におめでとう!感動した!)と、
40センチのセイゴ(琉球ゴールデンキングスにささげる!)(いらんと思うけど)(おめでとう!かたのおめでとう!)が釣れた。

終わりの季節。

五島から横浜に帰ってきた。
しばらく留守にした横浜の海はちょっとスネているだろう。
でも結局は気を取り直して遊んでくれる、そう信じていた。

俺 「帰ってきたよ。おーい、どこにいるの?」
海 「・・・・」

俺 「隠れててもムダだぞー。どこだーい。」
海 「・・・・」

俺 「ど・・・どこいっちゃったんだよう?」
海 「・・・・」

俺 「ほんとにいなくなっちゃったの?おれがほったらかしにしてたから?」
海 「・・・ちがうわ」
俺 「いた!でも姿が見えない。どこ?」
海 「あなたにはもう見つけられないわ。」
俺 「どういうこと?」
海 「あらゆるものは変わりつづけるのよ。」
俺 「変わる・・・?」
海 「わたしはもういない。・・・いえ、正確には、いるけど、いない。」
俺 「やめてくれよ、そんなミステリアスな話。」
海 「U2も歌ってたでしょ。Sea moves in mysterious waysって」
俺 「あれはShe moves・・・だよ。」
海 「わかってる。うまいこと言ってみたかっただけ。」

俺 「もういっしょに遊んでくれないの?」
海 「さようなら」
俺 「そんな!またすぐ会えるでしょ?」
海 「・・・私にもわからないの。でも、季節はめぐるわ。また春はくる。」

俺 「あっ、この子は?」
海 「忘れ形見よ・・・私とあなたの」
俺 「そんな・・・」
海 「いままでありがとう。楽しかった。」
俺 「行かないで!」
海 「・・・・」
俺 「行かないでー!」

釣り、世界が奏でる音楽。

仕事で知り合ったキクヤさん。音楽の作家さん。
三田のスタジオで打ち合わせしてたとき、
キクヤさんのPCに魚のシールが貼ってるのを僕は見逃さなかった!

「・・・好きなんすか?」
「・・・好きなんですよ~」

ってやりとりがあり、沖堤シーバスにお誘いした。

雨予報だったから「やめます?」ってメールしたら、
一言「攻めたい」と返事。
攻めたいって・・・正直、今年もらったメールの中でいちばん男らしいメールだったな。

雨の沖堤は貸切り!
音楽の作家さんですからね、アドバイスには細心の注意を払った。
「ルアーの動かし方はビブラートな気分で、とはいえ、スタッカートを忘れずに、
 そして魚に気づかれないよう、自分の存在感はピアニシモでお願いします」と伝えた。
というのはウソで、勝手にばんばん釣ってた。

最後、何匹釣りました?って聞いたら、数えきれませんって。
20は釣ったかなあ、なんて言ってる・・・
うはっ。

にしても、釣りは音楽っぽいのかもしんないな、と帰りのクルマの中で思う。
保坂和志が、小説は音楽だっていうときの音楽と同じ音楽。
ビートとかリズムって言った方がいいのか。

いつか海に飛びこむ日まで。

イチハラさんはフライ師だ。

会社の先輩、イチハラさんを誘って、いま絶好調の沖堤へ。
ぜったい少なくとも一匹は釣れるはずだった。
熱い「釣れましたね握手」をするはずだった。
うおおおー!って顔したブツ持ち写真をとるはずだった。
・・・はず、だっ、た!

なにかの卵?こわいけどワクワクするなあ。

でも!釣れなかったプロセスがあったほうが、いつか釣れた時の喜びってすごい。
そして、そのときは握手どころじゃなく、抱き合って、そしてふたりで海に飛び込むのだと思う。
イチハラさん、釣れたらぜったいやりましょう。
カメラのセルフタイマーをセットして、抱き合いながらのブツもち飛び込み。
イチハラさんがやんなくても、おれひとりでやる!

あ、そうそう、帰りには今日もまた「MR.第2ボタン」ことハットリさんと話せた。
いっしょにいたヨシダさんとも話せて、数分だったけどすごくおもしろかった。
みんなで記念写真撮ればおもしろかったのに!気がきかないぜ俺。