秋ヒラ(その1)

秋の市民運動会に合わせて五島に帰省してました。
帰ったからにはちょっとでも磯に立ちたい。
いつか大きなヒラスズキを釣るために、ひとりで、少しでも経験を積んでおきたい、なんて思うわけです。
朝の2、3時間だけでも、と夜明けの海に向かいます。
思ったより波風強くて釣りづらいのだけど、
タイミング見計らって投げてたらあたりました。
やたら引くので、デカい?と思ったらスレ気味にかかってただけ。50くらい。
でも綺麗で元気な魚体です。うれしくてフハフハ言ってしまう。

なんだか魚の気配がするので、同じポイントを再び攻めます。
投げた瞬間強い風が吹いて、思いがけず突き出した岬の先端ぎりぎりに着水。
根がかりやばい!と思って竿を突き出して巻きはじめた途端にガツン!
あわててあわせる。
喰った場所が瀬際のほんとギリギリだったので、立ち位置変えながら
ひきはがすのに必死。重い。浮いてこない。またスレ?
ゼエゼエハアハア言ってる。サラシの中から魚体が見える。
おおきい・・・

バレるなっ!って思った瞬間大きな波にもまれてテンションがふっとゆるむ。
あああっバレた?
って思ったら大きな岩の陰からヌッと魚体がこちらに向かって泳いでくる。
必死に巻く。再びテンションが戻る。波を利用して一個ずつ岩を越してくる。
フウフウ、ゼエゼエ。
最後、波打ち際の岩に乗せたら、飛び降りて、リーダーつかんで、
グリップを口につっこんだ。・・・獲った!

ひとりで獲った!ヒラスズキ!
ゼエゼエ。ハアハア。
メジャー持ってきてない。手めいっぱい広げて4回、それでもまだけっこう余ってる。
80はあるんでしょう、きっと。
膝がガクガク。息がゼエゼエ。
最初に釣ったヒラ以来のナイスサイズだったから、
ずっと釣りたいって思いつづけてたから、うれしくって泣きそう。
なのに、魚のあまりのプロポーションに「そん体高っ!」って、へんなツッコミを入れたりする。

波が流れ込む場所で、しばらく魚の体力を回復させる。元気に海に戻ってほしいけど、
行ってほしくない気もする。もっと魚を見てたい。かっこいい。一心同体になりたい。
ありがとう。ありがとう。
フィッシュグリップを離す。
岩の間を抜けて、ぬらり、ぬらり、と魚が戻っていく。

その後、ほかのポイントも少しまわったけど、もういいや、という気分。
もう満足。出会えたもん。
帰る。帰りの景色が違って見える。道路標識でさえ美しい。
すれ違う対向車がスローモーションで見える。
畑に水をまいているオッサンの姿も美しい。なんて世界はすばらしいんだ。
ってバカみたいに夢見心地でいたら、だんだん、
ほんとに釣ったのかどうかがあやしくなってくる。

釣った写真も残ってるのだけど、釣った手触りも残っているのだけど、
なんか、やっぱり、いちばんの強烈な釣りの感動は
釣ってるその場所にしかないんだと実感する。
だから再び磯に向かいたくなる。

秋ヒラ(その1)」への8件のフィードバック

  1. メリケンマサ

    おめでとうございます!! いつか僕もその魚を釣ります(^^)

    返信
    1. たーちん

      >マサ、ありがとう!マサが釣るときはおれがランディングするから。(そしてポロリってするから!)笑

      返信
    1. たーちん

      >タコちゃん、その場におったら目ばやられちょったよ。おらんでよかった。

      返信
    1. たーちん

      >クウルさん、クウルさんとデカいヒラスズキは同じような感じで僕のあこがれ!

      返信
  2. いわさき

    「道路標識でさえ美しい。」

    うーん、いいねボタン押せないからここで2サムズアップ!
    いいことばだ。

    返信
    1. たーちん 投稿作成者

      >いわさき、そやろ、おれもそう思うんよね。

      返信

タコヤキ へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Spam Protection by WP-SpamFree